「翁」を題材とし、能という芸能が持つ西洋の主体的な人間中心主義を脱却する構造と可能性などについて、専門家を交え幅広く議論する。現代における「エコロジー」を再考し、言論による哲学の希薄さが語られてきた日本の現代思想のアップデートを図る。[モデレーター:渡辺志桜里]

場 所 
チケット購入後、購入者に詳細を告知します。

料 金 
各回 1,500円(ワンドリンク付き)
※トークイベントのチケットは、展覧会と別料金で購入いただく必要があります。

チケット
11/7(月)18:00~Peatixにて販売開始

販売URL
https://peatix.com/event/3407193/

トークイベント

翁と老女、古代から現代、祭り、芸能、芸術における翁の存在と、周縁的な存在の老女について

日程 11月23日(水祝) 19:00~20:30

場所 本展第一会場付近 ※購入された方にご案内します。

登壇者 安藤礼二(文芸評論家), やなぎみわ(アーティスト)

内容  翁の研究者である安藤礼二氏を迎え、老女をテーマにした作品を多数制作しているアーティストやなぎみわ氏との対談を行います。

安藤礼二(あんどう・れいじ)

文芸評論家、多摩美術大学図書館長、教授、アートアーカイヴセンター、芸術人類学研究所所員。1967年東京生まれ。早稲田大学第一文学部考古学専修卒業。出版社の編集者を経て、2002年、「神々の闘争――折口信夫論」で群像新人文学賞優秀賞となり、表現活動を開始する。主な著作に『光の曼陀羅 日本文学論』(講談社、大江健三郎賞および伊藤整文学賞受賞)、『折口信夫』(講談社、サントリー学芸賞および角川財団学芸賞受賞)。近刊に『縄文論』(作品社)。photo by 小林りり子

やなぎみわ

美術作家・舞台演出家。「エレベーターガール」「グランドマザーズ」シリーズなど、女性をテーマにした写真作品を制作。2011年より『1924 三部作』で舞台演出を始め、2016年より台湾で制作したオリジナルの舞台車による野外劇『日輪の翼』を全国巡演。近年の活動として、高松市美術館を皮切りに前橋、福島、横浜、静岡を巡回した個展「神話機械」展など。2021年には、台湾オペラ「アフロディーテ〜阿婆蘭〜」を衛武営国家芸術文化中心で作演出した。photo by 沈昭良

本プロジェクト参加作家の小宮りさ麻吏奈と美術批評家椹木野衣との対談

日程 11月25日(金) 19:00~20:30

場所 本展第一会場付近 ※購入された方にご案内します。

登壇者 小宮りさ麻吏奈(アーティスト),  椹木野衣(美術批評家)

内容 本プロジェクト出展作家である小宮りさ麻吏奈と美術批評家椹木野衣との対談を行います。

小宮りさ麻吏奈(こみやりさまりな)

クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマにメディアにとらわれず活動している。主なプロジェクトに「小宮花店」、制度における同性婚不可と建築法の問題を重ね合わせ、再建築不可の土地に庭をつくるプロジェクト「繁殖する庭」など。近年の主な個展に「-ATCG」(TAV GALLERY)、グループ展に「REBORN ART FESTIVAL 2019」(宮城県)など。

椹木野衣(さわらぎ・のい)

美術批評家。 山間の秩父に生まれ、京都の同志社で哲学を専攻。 のち東京に移り、1991年に最初の評論集『シミュレーショニズム』(1991年、増補版=ちくま学芸文庫)を刊行、批評活動を始める。 おもな著作に『日本・現代・美術』(新潮社、1998年)、『戦争と万博』(2005年)、『後美術論』(2015年、第25回吉田秀和賞)、『震美術論』(2017年、平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞、いずれも美術出版社)ほか多数。 キュレーションした展覧会に「アノーマリー」(レントゲン藝術研究所、1991年)、「日本ゼロ年」(水戸芸術館、1999–2000年)ほか、監修に『日本美術全集 19 拡張する戦後美術』(小学館、2015年)などがある。 1985年の日航機123便御巣鷹の尾根墜落事故を主題とする戯曲に「グランギニョル未来」(2014年)、福島の帰還困難区域で開催中の“見に行くことができない展覧会”「Don’t Follow the Wind」では実行委員を務め、アートユニット「グランギニョル未来」(赤城修司、飴屋法水、山川冬樹)を結成、展示にも参加している。

人新世や資本新世における共生はどのように可能なのか? 

日程 11月27日(日) 13:00~14:30

場所 本展第一会場付近 ※購入された方にご案内します。

登壇者 後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員),  吉田真理子(文化人類学者)

アーティストが考える共生の実践を紹介しながら、未来の共生の可能性について、最前線の研究を走るお二人を迎えて対談を行います。

吉田真理子(よしだ・まりこ)

研究の関心は環境人類学、海洋変化の知識生成、水産コモディティチェーン、マルチスピーシーズ民族誌、フェミニストSTS。海洋酸性化や海水温の上昇による生態系への影響、養殖従事者の減少と高齢化、水産物消費の変化やバイオテクノロジーの課題など、牡蠣のサプライチェーンで多層化する不確実性や不安定性についてマルチサイテッドな調査を行う。異種混淆のアクターの絡まりあいを通して、人新世や資本新世における共生とは何かを捉えなおす研究を行なっている。最近の主な出版物に“Cultivating the Ocean: Reflections on Desolate Life and Oyster Restoration in Hiroshima” (Book chapter article, forthcoming 2023)、『食う、食われる、食いあう マルチスピーシーズ民族誌の思考』(近藤祉秋と共編著、青土社、2021年)、『新型コロナウイルス感染症と人類学−パンデミックとともに考える』(浜田明範・西真如・近藤祉秋との共編著、水声社、2021年)など。

後藤桜子(ごとう・おうこ)

水戸芸術館現代美術センター学芸員。画廊、私立美術館勤務を経て2017年より現職。水戸芸術館での主な企画に「道草展:未知とともに歩む」(2020年)、「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island―あなたの眼はわたしの島」(2021年、京都国立近代美術館との共催)など。東北芸術工科大学非常勤講師。